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  12 ,2010

20歳女子大生のプライベートブログ♪いい加減な記事しか書きません(ノ∀`*)


プロフィール

NuT MeG

Author:NuT MeG
 
20歳の女子大生
(ノ∀`*)

以前はこのブログを
正規のものとして
使っていたのですが
諸事情により分割することに

分割以降は
まともな記事が皆無です

それでもいいって方のみ
ご覧いただければと...


よろしくお願いします♪
 

 

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Category: 日常雑記

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或るやっちまった女の話
 
あ、やっちまった―――

一瞬の焦燥感。
諦めの感情が追いつく。
そして意外なことに、安堵がさらにまさった。

甲高い、だけど鈍い音がした。
床に陶器が打たれる音。

他のコーヒーカップはなんとか手で食い止めた。
ひとつ、そうひとつだけ――それが彼女の安堵の理由であったが――それだけが彼女の手から滑り落ちていった。


名津メグはアルバイトの最中であった。
都内の一流ホテル。
フルコースの配膳をし、特に大きなミスもなく終われると思っていたさなかでの出来事である。

ドンデンと現場では呼ばれる。
宴会のあと片付けのことだ。

大きな長方形のトレーは縦50センチ、横1メートル弱くらいだったろう。
それにコーヒーカップとソーサー、紅茶用ミルク、それにパン皿なんかを一気に乗せて運んでいた。

あぶなっかしいなぁ
――大丈夫です!

先ほどの会話が脳裏に浮かぶ。
先輩の男性に言われたことだ。

...なんであのとき忠告に従わなかったのだろう。
今更思っても仕方ないことだが。

カップは2段に重ねていた。
その方が圧倒的多数を運べる。
仕事には効率を求めるタイプだった。

それが仇になった。

重さに腕が震える。
カップが揺れる。
まずい、と思った。

近くの机に一旦トレーを置き、体制を立て直そうと思った。
そのときには遅かった。
カップが崩れる、なだれる。
なんとか、なんとかと思った、が....というのが一連の流れである。


ブリケージと言われる、食器類の破損は初めてだった。

彼女にとってはついに、という感じだ。
そろそろやるのではないかという危機感はあった。
今のバイトを始めて1ヶ月半。
仕事に慣れてきて油断が生じる時期である。

ある程度腕の力がつき、バランス感覚もよくなった。
自分なら多少は辛くても運べると思っていた。

ある知人に言われたことを覚えている。
バイクや車の事故は20歳前後が多い。
なぜなら運転に慣れてきて自分への自信が過剰になるから。

まさにそれである。
運転にも仕事にも、何にでも当てはまることなのだろう。

ここ数日間のバイトで、以前は気をつけていたことで注意されるようになった。
左手でトレーを持つときは必ず右手を添えるだとか、それ以外は覚えてすらいない。


ところで、彼女の中にある邪念がよぎっていた。

割れた現場を見た人は誰もいない。
そして今も誰もいない。

もし、彼女は考える。
もしこのまま割れたカップを隠せれば、何もなかったことにできるのではないか。
やろうと思えばできることだ。

さすがにこの邪念は払おうと判断する。
隠すと言っても場所はないし、まさかポケットの中に入れるわけにもいくまい。
それ以前に、何よりもそんな風に考えてしまう自分が嫌だった。


素直になろう。
そして、もっと気を引き締めなければ。
最近よく思う言葉を再び胸に刻む。


ブリケージには報告書を書かなければならなかった。
今更ながら襲ってくる自責の念に身を震わせる。
同時に情けなくなった。

上の人は怒るだろうか、それとも呆れた顔をするだろうか。
いずれにせよ、信頼を失うことは確実だった。
たった一瞬のミスのために一度なくした信頼は、回復するのに膨大な時間を要する。
そのくらいのことはわかっていた。

気を引き締めなければ。
そう再び思いつつ、報告書の用紙を取りに廊下を急いだ。

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